
昨夜、たまたま
「老い」をテーマにした
特集番組を観ました。
何気なく見たのですが
思いのほか面白い内容で
最後まで観てしまいました。
番組内で特に興味を惹かれたのが
「老いは病気」だとする考え方。
すでに「老化治療薬」が
存在していることも知りました。
マウスを使った
老化治療薬の実験も見ました。
70歳に相当するマウスに
老化治療薬を1ヶ月間投与した結果、
どうなるかという実験です。
同じ70歳のマウスと比べ、
動きが明らかに違っていました。
老化治療薬を使うことで
筋力や持久力、内臓機能などが
回復するという効果があるとのこと。
老化細胞研究が治療薬につながった
この老化治療薬。
「老化細胞の研究」が進んだことで
実現したのだそうです。
ちなみに老化細胞とは、
細胞分裂が停止し、体内に蓄積して
炎症を引き起こしたり、
周りの細胞の働きを邪魔する
悪さを起こす細胞のことです。
細胞分裂は
50回が限界だと言われています。
限界に達した細胞は老化細胞となります。
体が若いうちは免疫システムによって
しっかり老化細胞を除去してくれますが、
年齢とともにその力が弱くなり、
老化細胞が体内に残りやすくなります。
先ほども紹介しましたが
老化細胞の厄介な特徴は
慢性炎症を引き起こして
周りの臓器や組織に悪さをする点です。
この炎症作用によって
周りの臓器や機能を低下させます。
その結果、
・肌のシワ、シミ
・筋肉の衰え
・免疫の低下
・認知機能の低下
・生活習慣病や癌のリスク上昇
などを引き起こします。
老化治療薬において
最も研究が進んでいるのは
セノリティクスという老化治療薬
(老化細胞だけを狙って除去する薬)
だそうです。
また、
山中伸弥さんのiPS細胞研究による
細胞を初期化する技術も
老化細胞の再生に応用可能性あり
だそうです。
細胞の初期化技術って
とんでもない技術ですね。
老化を克服することについて
従来、老化というのは
自然現象というか、
我々にとって避けられない衰え
だと考えられていましたよね。
それが、最近では
老化を治療可能な病気として
捉える動きが出てきていることに
驚きました。
老化治療薬の進歩や普及は
我々の社会構造をガラリと変える
動きになりそうで私は不安です。
人口が減りにくいことで発生する
環境悪化や資源枯渇、食糧問題などの
社会問題。
そして、
長寿化によって
生き方に対する概念も
変わる気がします。
第二の人生の上をいく、
第三の人生と言われる時代が
やってくるかもしれない。
われわれ人類は
老化を克服することで
そうした社会問題や
生き方に対する心構えの変化に
否応なしに向き合うことに
なっていくのでしょうね。